ハーフマラソンスタート時の天候は雨、気温18.0℃、湿度73%。東京レガシーハーフマラソン2023は雨が降りしきる厳しい気象条件下での開催となりました。
エリート男子は世界クロスカントリー選手権2019のケニア代表で日本の実業団チームに所属するエバンス ケイタニー・キプトゥム(ケニア・トヨタ紡織)が1時間01分10 秒でフィニッシュしました。終盤に逆転し、第2回大会の優勝者となり、「雨の中のレースですごく大変だった」と振り返りました。
レースは序盤からビダン・カロキ(ケニア・トヨタ自動車)が飛び出し、最初の5kmを14分06秒で刻み、一人旅になり、10kmを28分17秒で通過。15km通過時点では2位集団に30秒差をつけ、大きくリードをしました。
4人で形成していた2位集団は中盤からキプトゥムとベナード・キメリ(ケニア・富士通)が抜け出し、2人がカロキを追う展開になりました。15kmから20kmまでカロキが15分06秒と大きくペースを落としたのに対し、キプトゥムとキメリは14分40秒で刻み、追い上げます。フィニッシュまで残り1㌔を切り、国立競技場に入る手前で逆転。カロキを捉え、突き放しました。
キメリが1時間01分12秒で2位に入り、3位はカロキで1時間01分20秒でした。
キプトゥムは今後については「ゆくゆくは東京マラソンに出てみたい」と目標を語りました。
日本勢のトップは、近藤幸太郎(SGホールディングス)が自己記録の1時間03分42秒を更新する1時間01分26秒で5位に入る大健闘。近藤は2023年の箱根駅伝で青学大の2区を走り、区間2位。今春に実業団に入ったばかりの22歳です。
日本勢唯一の招待選手で「みんなの印象に残るようなレースをする」と意気込んでいた村山謙太(旭化成)は序盤から苦しみ、1時間03分50秒の32位に終わりました。
エリート女子は、初来日のグラディス・チェプクルイ(ケニア)が制しました。自己記録の1時間05分46秒の更新を目指していましたが、雨が降る中、1時間08分03秒の大会記録でフィニッシュしました。記者会見では「レースは悪くなかった。雨の中でもベストなレースができた」と充実した表情で語りました。
レースは序盤から招待選手のチェプクルイ、ドルフィンニャボケ・オマレ(ケニア・ユーエスイー)、ヘレン・エカラレ(ケニア・豊田自動織機)の3人が先頭集団を形成。中盤以降はエカラレが徐々にペースを落とし、チェプクルイとオマレのマッチレースになりました。勝負は終盤までもつれ、上り坂で一気にペースを上げたチェプクレイが前へ出ると、オマレは付いていけませんでした。
チェプクルイは5kmのラップタイムを16分02秒、16分04秒、16分10秒、16分17秒とコンスタントに刻む安定した走りを披露しました。
オマレは1時間08分13秒の2位。エカラレは1時間09分59秒の3位でした。
日本勢では小川那月(スズキアスリートクラブ)が1時間14分34秒で4位に入り、自己記録の1時間15分38秒を更新しました。
スタート時には激しい雨が降るなど、厳しい気象条件下にもかかわらず、選手はレース後、笑顔を見せました。東京レガシーハーフマラソン2023で走る楽しさをかみしめていました。