今年で3回目を迎える「東京レガシーハーフマラソン2024」の開催2日前となる10月18日(金)、「プレスカンファレンス」が国立競技場で開催され、パラアスリートの招待選手8名が登壇しました。全員がパリ2024パラリンピック日本代表で、激戦から1カ月半というタイミングでの今大会出場となります。
【パラアスリート T53/T54(車いす)】
「T53/T54(車いす)」の部男子招待選手は2名です。2大会連続優勝の鈴木朋樹(トヨタ自動車)はパリ2024パラリンピックのマラソンで銅メダルを獲得し、10月13日のシカゴマラソンでも3位と好調です。「疲労はあるが、コンディションはいい。楽しみながら、連覇も狙いたい」と意気ごみ、吉田竜太(SUS)は2年ぶりの出場に、「このコースはとても好きなコース。前回(2022年)の3位より上位を目指したい」と目標を語りました。
女子も2名で、土田和歌子(ウィルレイズ)は、「パリ大会後の初レースだが、コンディションはいい。喜納選手と競り合いながら、車いすレースの魅力も伝えられるようなレースを展開したい」と話し、昨年の覇者、喜納翼(琉球スポーツサポート)は、「改めて、走る喜びや楽しさを噛み締めながらレースに臨みたい。登りが得意な土田選手についていき、いい勝負ができれば」と、連覇も見据えました。
車いすレースの見どころについて、「集団での位置取りや駆け引き」(鈴木)、「上り坂での力強さ」(吉田)、「スピード感」(土田)、「車いすには少し難しいが、順位変動のポイントにもなるUターンやコーナリング」(喜納)と、それぞれ挙げました。
副島正純車いすレースディレクターはレース展開について、「男子は勢いのある鈴木を中心に、吉田など他の選手も粘って後半まで競り合いになる展開に期待」と話し、「女子は登りの得意な土田が逃げるのか、喜納が粘ってゴールスプリントで競り合うのかに注目」と展望しました。
【パラアスリート T11/T12(視覚障がい)】
「T11/T12(視覚障がい)」の部の男子招待選手は3名です。パリ2024パラリンピックの男子5000m銀メダリストで、前回優勝の唐澤剣也(SUBARU)は、「トラック種目を中心に競技をしているが、パリ2024パラリンピック後は今大会に向けて調整してきた。後半のスタミナに少し不安はあるが、連覇を狙ってベストの走りをしたい」と力強く語りました。
堀越信司(NTT西日本)は、「このコースは、(銅メダルだった)東京2020パラリンピックと一部重なるので思い出深い。現状の把握と4年後のロサンゼルス2028パラリンピックに向けたリスタートのレースにしたい」と目標を口にし、熊谷豊(三井ダイレクト損保)は、「東京2020パラリンピックを含めてこのコースは3回走ってだいぶ慣れてきた。パリの疲れはあるが、今の全力を出し切りたい」と力強く語りました。
女子は1名で、パリ大会女子マラソン銅メダルの道下美里(三井住友海上)は、「パリ後、練習を再開して間もないが、脚の調子もいいので、マイペースでしっかりと連覇を狙いたい。フルマラソンの後半をイメージし、私の得意な後半の粘りを発揮できれば」と意気込みました。
この大会について、「一般ランナーとの交流」(道下)、「設定タイムが近い仲間と引っ張りあいながら走れる」(唐澤)、「視覚障がいランナーやパラリンピックを知ってもらういい機会」(堀越)、「障がいを気にせず、平等に勝負できる楽しさ」(熊谷)と、それぞれ魅力を語りました。
東京マラソン財団運営統括本部の新城薫副本部長は、「パリ2024パラリンピックから1カ月半と、コンディション作りが難しいとは思うが、この大会は東京2020のレガシーという位置付けの大会であり、パラリンピックで活躍した選手の出場はとても意義深い。それぞれの目標を達成できるよう運営の方もしっかりサポートしたい」とエールを送りました。
なお、車いすの部は午前8時に、視覚障がいの部は一般ランナーと同時の8時5分にスタートします。招待選手以外の車いすや視覚障がいの選手、さらには脳性まひや知的障がい、聴覚障がいのパラアスリートも多数エントリーしています。それぞれの目標に挑む姿をぜひ応援ください。