パラアスリート(T11/T12)の部はエリートや一般のランナーらとともに8時5分、スタートをしました。
男子を制したのは東京パラリンピック5,000m銀メダルの唐澤剣也選手(T11)で、1時間8分30秒をマークし、自身がもっていた世界記録(男子T11 )を更新する快走を見せました。
ガイドランナーと走る唐澤選手は混雑するスタートでの接触や転倒などの回避も考え、「速めのペースで出て、いい位置で走ることを心がけた」とスタートから飛び出します。そのまま5㎞通過が16分59秒というハイペースで飛ばし、その後もプラン通りの3分10秒前後を刻みます。最後の上り坂も粘りきり、後続を寄せ付けずにフィニッシュしました。
「この半年間、いい練習ができたので、自信をもってこの大会に臨めました。その成果を発揮できました」と達成感をにじませました。
今年3月まではフルタイムで勤務しながら競技生活を行っていましたが、4月からSUBARUの陸上部に所属となり、競技に専念できる体制が整いました。メインとするトラックレースに向けて、ハーフマラソンでの好結果はスタミナと脚力の確認ができたという唐澤選手。さらなる進化に期待です。
2位は、東京パラリンピックでメダル2個を獲得した和田伸也選手で、タイムは自己ベストとなる1時間10分53秒でした。唐澤選手との競り合いも期待されていましたが、「唐澤選手は強かった。最初から速かったので、自分のペースで行きました」と振り返りました。
「今ある力はすべて出し切り、フィニッシュまで走ろうと思い、マラソンにつながる走りはできました」と前を向いていました。
女子は、井内菜津美選手(T11)が初代女王に輝きました。マークした1時間31分41秒は南アフリカの選手がもっていた世界記録を1分51秒も塗りかえる快走でした。
「世界記録を目標にして準備してきたので達成できたことはとても嬉しいです。ここにくるまで、たくさんの方の力がありました。この結果で、やっと感謝の気持ちを表すことができ、それも嬉しく思っています」
2024年パリパラリンピックではマラソンでの初出場を目指している井内は、今大会も12月のマラソンで記録を狙うプロセスの中での挑戦でした。「目標より1分以上、いいタイムで自信になりました。ここから倍の距離(マラソン)になっても、最後まで押し込めるように練習をまた頑張ろうと、今大会で前向きな気持ちになることができました」と井内選手。ステップアップと位置付けた大会で、よい手ごたえをつかめたようです。
なお、1番手にフィニッシュした道下美里選手と3番手の西村千香選手は、ガイドランナーが選手よりも先にフィニッシュラインを越えてしまい、失格となりました。競技ルールではガイドランナーより先に選手がフィニッシュすることになっており、同時フィニッシュでも違反となります。
東京レガシーハーフマラソンは、障がいの有無に関わらず、誰もが参加しやすい環境づくりを目指してしてまいります。パラアスリートの皆さまにベストなパフォーマンスをしていただけるように運営面についても改善を図り、サポート体制を整えてまいります。
出場していただきましたパラアスリートの皆さまに感謝いたします。